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①東大の1年生特有の授業紹介(理系編)

こんにちは。polarisメンバーで東京大学理科1類2年のめろんぱんです。

今回は、東大で行われる授業のうち、理系1年生に特有の授業を紹介したいと思います!
文理共通の1年生の授業の多くは昨年4月配信のこちらの記事で紹介しましたので、ぜひご覧ください。
今回紹介するのは
①初年次ゼミナール理科
②基礎実験(物理・化学・生物)
の二つの授業です。

①初年次ゼミナール理科
文理共通の授業には昨年紹介した英語系、体育系、情報の授業のほかに、
初年次ゼミナール文科・理科があります。
私が実際に受講した初年次ゼミナール理科についてご紹介します。
初年次ゼミナールという授業は、
通常3、4年生で行うゼミ形式の授業を
1年生が体験するという趣旨で開講されています。
実際のゼミと同じで少人数制(15〜20人)、
各ゼミに一人の教授がついて、教授の専門分野を中心に、
ゼミのメンバーがチームに分かれて探究活動を行います。
クラスごとに指定された20あまりのゼミから、
自分の興味のあるテーマのゼミを選ぶことができます。
私が選んだゼミは「周期表の物理と化学」というゼミでした。
元素に関わることならなんでもよいということだったので、
希土類元素(レアアース)に興味のある4人でチームを作り、
希土類元素を単離する方法、
つまり、別々の純物質として取り出す方法について調べました。
ゼミにもよるのですが、私のところは比較的忙しい方で、
毎週成果発表がありました。
短期間で習ったことのない内容が書かれた英語の論文をたくさん読んで、
理解した原理を自分の言葉でまとめなければならず、
とても大変でした。
それでも、そのぶん得たものは大きかったと思います。
希土類元素の単離研究で
有名な研究者の方に担当教授が連絡を取ってくださり、
特別に講義をしていただくなど、貴重な経験もできました。
 他のゼミでも、専門的なソフトの使い方を学べたり、
調査・データ分析の方法を教わったり、
1年生で研究の一端に触れることができるようです。

②基礎実験(物理・化学・生物)
基礎実験は、理系特有の授業です。
理科一類は物理・化学、
理科二・三類は物理・化学・生物の実験を行います。
理科一類で入学しても
申請すれば生物実験の授業を受けることができます。
内容は、高校までに習ったことを少し発展させたレベルで、
ノートの書き方や実験の手順、
器具の正しい扱い方、
考察の仕方などを学ぶのが主眼のようです。
私はまだ化学の実験しか受講していないため、
ここでは化学実験のお話をさせてください!
予習にレポートに毎週忙しいですが、
KOMCEEという新しい建物で、一人一台実験台が与えられ、
高校の時は使わなかった器具や薬品を使って実験することができ、
とても楽しかったです。
(コロナ禍では1人1台ですが、
コロナ以前は2人で1台だったようです。)
私は数学科志望ですが、
もし他の大学の数学科に入学していたら
化学実験とは縁のない生活をしていたと思います。
1年生で理科の基本的な実験を網羅できるのは
個人的には良かったと思っています。
以上、理系1年生に特有の授業のご紹介でした!
みなさんが大学生活を想像して
少しでも楽しみに思ってくださったら嬉しいです。

②第二外国語(理系編・韓国朝鮮語)

こんにちは!
polarisメンバーで理科一類2年のみとはです!

今回のテーマは
「第二外国語」
ということで、
私が選択していた韓国朝鮮語についてお話していきたいと思います!

その前に、第二外国語(通称:二外)について説明すると、
東大を含め多くの大学で外国語を
もう一つ学ばなければならない制度になっています。
例外ケースもありますが、ほとんどの人にとって、
第一外国語が英語で、第二外国語が英語以外の言語ということになります。

韓国朝鮮語は東大の第二外国語の中では選択する学生の少ない、
比較的マイナーな言語です!

私が在籍していた2021年度は、
韓国朝鮮語選択者のクラスが、
理科一類で1クラス、
理科二・三類で1クラス、
文科一・二・三類で1クラス
の計3クラスしかありませんでした。
1クラス30名程度なので、
学年で約3000人の学生が在籍していることを考えると、
全体の約3%です。
韓国朝鮮語は言語使用人口が少ないため、
有用性の観点から選ばない人が多いと聞きますが、
そんな韓国朝鮮語のいいところをメインに紹介していこうと思います!

私が韓国朝鮮語を選んだ理由はKPOPや韓国ドラマが好きで、
独学で勉強していたので、きちんと習ってみたいと思ったからです。
同じクラスの友達も、韓国文化に興味がある人が多く、
話が合って楽しかったです。

韓国に興味がある人だけでなく、
韓国は日本に近い国だから、
日本語と似ていて簡単そう、
という理由で選んでいる人もいます。

実際簡単なのかというと、当たり前ですが、自分の勉強量次第です。

文法はたしかに日本語と似ていますが、
ハングル文字の表記は覚えなくてはなりません。
また、他の言語に比べてテストのたびに覚えるべき単語数が多い
と聞いたことがあります。
文法が比較的簡単なために、習う内容が多くなっているのだと思います。

良く言えば、そのぶん使えるようになります!
1年前期に理系クラスは週2回、第二外国語の授業がありますが、
理系クラスでも十分、半年あれば日常会話はできるようになります。
1年後期は理系クラスで週1回になりますが、一年を通してかなり上達できます。
KPOPが好きな方は、歌詞を見てみると
3割くらいは自力で和訳できるようになると思います!

授業はテキストに沿って、発音や文法を学んでいくという形式ですが、
他の言語と違って、韓国朝鮮語の授業には理系クラスの授業にも
ネイティブの大学院生がTA(ティーチングアシスタント)として
授業についています!
ネイティブの方の発音を聞けて、
直接質問もできるので、有意義な言語学習になったと感じています。
最近の若者言葉や、教科書のコラムに関連して
韓国文化についてお話を聞けたことが特に楽しかったです!

第二外国語は大学生から始める方が多いと思います。
興味のある言語を今から考えておくと大学生活が楽しくなるかもしれませんね。

③第二外国語(文系編・スペイン語)

こんにちは!
polarisメンバーで文科一類2年のいちごです。

今回は「第二外国語」がテーマということで、
私が選択していたスペイン語についてお話したいと思います。

スペイン語は簡単だと言われがちなこともあり、
東大の中でも比較的選択する人が多い言語です。
1つ30名強のクラスが6クラスあったので、
約200人が選択していることになります。
私も勉強が楽そうというイメージと、
いつか世界史で登場した名所を訪れるために
スペイン旅行をしたいという気持ちからスペイン語を選びました。

実際簡単なのかというと、
発音はローマ字読みが基本なので確かにしやすいです。
巻き舌が唯一難しいところですが、できなくても授業では支障ありません。

 一方、文法は名詞の性別や動詞の活用などを覚えるのが難しいです。
特に動詞の活用は現在形だけで6種類もあったり、
過去形が点過去と線過去の2つあったりと、
英語より遥かに複雑です。
テストでも活用がよく問われ、一番勉強に苦労するところです。

文系の場合、1年生の前半は週に3回、
後半は週に2回第二外国語の授業があります。

 前半の3回には、
教科書で発音や文法を詳しく学ぶもの、
習った文法を使って教科書の文章を読むもの、
ネイティブの先生に会話表現などを教わるものがあります。

 後半は文法と文章通読の授業が一緒になり、週1回分授業が減ります。
コマ数も多く、授業の進度も早めなのでついていくのが少し大変ですが、
その分しっかり復習すれば身につきやすいです。
特に楽しかったのは会話の授業で、
スペイン語特有の言い回しや、
スペインの衣食住の文化なども知ることができました!

 どのくらい習得できるかは個人の勉強量次第ですが、
自己紹介や簡単な日常会話までならできるようになる人が多いです。
きちんと勉強すれば、いずれスペイン旅行をする時に
会話で困らないかもしれません!

 ちなみに、東大では選択した第二外国語によって一年生のクラスが決まります。
スペイン語のクラスは比較的明るくてよく遊ぶ人が集まりやすく、
クラスの仲が良くなりやすいと言われています。
実際に、私のクラスは陽気で話しやすい人が多かった印象です。

 第二外国語を決める時は自分の興味に合わせるのが一番ですが、
迷ったらクラスの雰囲気などを参考にしてみても良いかもしれません。

 第二外国語の授業は多くが必修で、
大学ならではのものもあります。
皆さんが楽しく興味のある言語を学べることを願っています!