TOP > MAGAZINE > 11月②

進学選択体験談~文系編~

こんにちは。polarisメンバーで文科一類2年のるんです。
今回は、進学選択に関するインタビューを行いました。

お話を伺った人:あっぷるさん
所属:文科三類2年
内定先:文学部社会心理学専修
サークル:polaris、教育系の学生団体

————————————————–
―まず、入学前、受験する科類として文科三類を選んだ理由はありますか?
 文科三類は、文系の中で最も進学選択の幅が広い科類だと思いますが。

東大の情報を調べているうちに、文科一類は法学部に、文科二類は経済学部に行く人が多いというのはなんとなくわかって、そのどちらでもないなと思ったので文科三類にしました。
ですが、文科三類にそんなに多くの選択肢があるとは入学前は知りませんでした。


―では入学後、進学選択についての情報は、どうやって集めましたか。

駒場キャンパスにある進学情報センターという所に行って資料を見たりとか、興味のある学部の先輩の話を聞いたりもしました。
あと、学部のガイダンスが開かれるので、それに参加して似ている学科の違いなど細かいことを教えてもらいました。


―志望する進学先はいつ頃、どのように決めたのですか?

大まかな学問分野として、心理系に進みたいというのは2年生の頭ぐらいに決めたのですが、心理学系の学科が3つあって、その中でどれにするかを迷っていました。
具体的に学科まで決まったのは2年生の7月か8月で、第一希望を正式に提出する直前だったので、結構ギリギリでしたね。
社会心理学に決めた理由としては、自分の興味に一番合致したというのが大きいです。
集団の中での人との付き合い方や、そこでの人間の心の動き方などが特に面白いなって思っていたので、そういったことを学べる社会心理学に最終的に決めました。


―社会心理学は人気の学科だとよく聞くのですが、人気があるぶん、やはり高い成績が必要でしたか?

そうですね。
年によっても変わりますが、心理学系の3つの学科はどこも高い成績が必要みたいです。
でも、ちゃんとそれなりの成績を取っていたら進学できると思います。


―学科(専修)の人数や男女比、雰囲気について教えてください。

20人前後で、男女比は1:1くらいだと思います。
女子が半分もいるのはびっくりしました。(東大全体の男女比は約4:1)
成績が高い人が多いと聞くのでちょっと緊張していたんですけど、実際は結構明るい人が多い印象で、みんな話しやすくて安心しました。


―社会心理学専修では、どんなことを学ぶのですか?

2年生の今は、3年生以降で勉強する内容の基礎をやっています。
社会心理学の研究では、調査と実験というのを行うのですが、それらの手法や、データを取った後の統計分析の方法などを学ぶのが必修科目となっています。
3年生も必修や準必修の授業が多くて、概論や統計を学びます。
ゼミは4年生になってからだと思います。


―今後特に学んでいきたい分野やテーマなどはありますか?

いま興味があるのは、女性のキャリア選択に関してです。
例えば、女性のキャリア選択を自由にしていくために、選択の上で何が障壁になっているのかとか、障壁を取り除くためのどういった工夫をしたらいいのかとか。
なので、その興味が続けば、これからの研究もそういう方向性になっていくのかなと思っています。


―進学選択制度は、他の大学にはない、東大の特殊な制度だと思います。
 進学選択の経験を踏まえて、読者の皆さんへメッセージがあればお願いします。

私は、高校生の時に、自分が勉強したい学問分野とか興味がまだ定まっていなかったので、そういう人にとっては、自分で興味がある学問分野を入学後に選択できる進学選択制度はとてもいいと思います。
ですが、入学後にたくさんの情報収集をしなければいけなかったのは大変でした。
文科三類の先輩方が色んな学部学科に進んでいるのを入学してから知って、選択肢の多さにびっくりしましたし、興味が定まっていないうちはどう選んだらいいのかわからず不安にもなりました。
また、選択肢は多くても、そこまで選択の自由度がものすごく高いというわけではなくて、やっぱり色々な条件や制限があります。
東大受験を考えている人は、志望校に固める前に、少しだけでも進学選択制度についての情報を集めておくといいのかなと思います。


————————————————–
自ら情報を集める必要があったり、成績を気にしなければならなかったりと、進学選択制度には大変な面もありますが、入学後まで進路を考える時間があるのはやはり魅力的ですよね。
あっぷるさん、貴重なお話をありがとうございました!

進学選択体験談~理系編~

こんにちは。polarisメンバーで理科一類1年のるかです。
今回は、進学選択に関するインタビューを行いました。

お話を伺った人:まこさん
所属:理科一類2年
内定先:理学部情報科学科
サークル:polaris

————————————————–
ーまずは高校時代についてお聞きしたいです。

都内の中高一貫の私立の女子高に通っていました。
中1から高2まではコーラス部に所属していて、部活が忙しかったので塾には通っていませんでした。
高1から高2の間は色々なことをやっていて、学外のイベントにも積極的に参加しました。


ー高校のときは大学以降のことについてどれくらい考えていましたか?

数学や物理が好きだったので理系にしました。
当時は建築学科や都市工学科に行きたかったけど、まだ迷っていたため進学選択のある東大にしようと考えていました。


ー高校のときは建築に興味があったということですが、情報科学科への進学を決めるまでにどのようなことをやりましたか?

大学1年の夏学期に次世代の建築物を作るという授業で、デッサンしたり模型を造ったりしてそれ発表するというものがあり、それが少し面白くなかったので違う学科も見てみようという気になりました。
もともと入ってみたかった三井不動産と東大が連携してスマートシティーの研究をやっていて、それに興味を持ったので情報系も面白いかもと思いました。
春休みに東大の情報工学院の入試説明会があって、大学院に進学したいと思っていたので見に行きました。
そこでコンピューター科学専攻の杉山先生の研究室の説明会があり、人工知能の活用ではなく人工知能そのものの仕組みについて研究しているところに惹かれました。
修士2年の理情(理学部情報科学科)の先輩にzoomなどで進路について相談してみて、理情のコンピュータサイエンスを体系的に学べるところに惹かれ、学科ガイダンスにも行きました。


ー履修の戦略はどうしましたか?

今となっては後悔しているけど、楽単(点数が取りやすい授業)ばかり取っていて興味のある情報系の授業はあまり取っていませんでした。
当時は「行きたいところに行けなかったらどうしよう」という焦りがあったけど、今思うとそこまで心配する必要はなかったです。


ー興味がある授業を取っておけばおかったとおっしゃっていましたが、それは具体的にはどのような授業ですか?

情報科学科の先生がやってるオムニバス形式(複数の教員がそれぞれの分野について話す形式)の授業が1つあって、それを取りたかったです。
興味がある学科の先生がやっている授業は東大の前期課程には意外とあるのでぜひ取ったほうがいいと思います。


ー情報学科に入る前に身につけておいた方がいい知識などはありますか?

前期課程の必修でやる数学の、特に線型代数は数学科以外でも使うのでしっかり学んでおきたかったです。
あと、理情では卒業論文を英語で書かないといけないというのもあり、1、2年生のときの英語の授業でちゃんとやっておけばよかったです。


ー内定先ではどのようなことをやりたいですか?

入る前から気になっていた杉山先生のところで機械学習(コンピュータにデータを与えて学習をさせ、人工知能を賢くすること)の研究をやりたいです。


ー将来大学院に進学する予定はありますか?

大学院に行ってから本格的な研究ができると思っているので、院には行きたいです。
理学部は博士課程まで進む人が多いけど、情報科学科では修士課程を出たら就職する人が多く、私もそうしようと思っています。


ー博士課程に行く人が少ないのが意外だと思いました。

情報科学科は理学部の中でも工学部寄りなところで、純粋に何かを学ぶよりは企業で研究する方がやりやすいためだと思います。


ー内定する前後で内定先の学科への印象の違いはありますか?

勉強内容は想定通りでした。
入る前は友達ができるか不安だったけど、入ってみたらみんな優しく学問にまっすぐな人たちでした。
プログラミングが得意な人や数学が得意な人などがいて、わからないことを質問したらすごくわかりやすく説明してくれます。


ー学科の雰囲気はどんな感じですか?

今はまだ必修の授業が少なく、一緒にいる時間は少ないけど仲はよく、男女の壁も感じないです。
1学年は30人で約1割が女子です。


ー進学選択について思うことや読者へのメッセージをお聞かせください!

進学選択がなかったら私は建築学科に行っていたと思います。
その点、大学の授業を受けてから進学先を決められるのは利点ですね。
一方、最初の1年半に専門的なことをあまり学べないのは少しマイナス点だと思います。
私の場合は、進学選択の良さを活かすことができて結果的によかったです。
高校生に伝えたいこととしては、大学の試験で点を取るのは意外と難しくないから行きたい学部に行けない心配はあまりいらないということです。
東大生は案外普通で、授業を真面目にこなす人もいればそうでない人もいるので、ちゃんとやっていれば点数は取れます。


————————————————–
大学の授業を受けてから進学先を決められるという進学選択の利点をうまく活用したまこさん。
一方で1・2年生のときに専門的な内容を学んでおきたかったという後悔もあるそうです。
受験生の皆さんは是非参考にしてみてください!