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東大の留学制度

こんにちは!
polarisメンバーで理科二類から農学部に進学した3年のじゃがいもです!
今回は、2年生の夏に参加した“体験活動プログラム”での農業体験についてご紹介します!
農場で働くとはどういうものなのか、ぜひ体験を共有しましょう!

プログラムの存在を知ったきっかけ
大学からのお知らせを確認できるサイト(UTAS)の中で体験活動プログラムの説明会の通知が来た時、体験活動がなんでも大好きな私は、載っていたURLからどのようなプログラムがあるのかをすぐに確認しました。
体験活動プログラムのページには
“「体験活動プログラム」は、東京大学の学部学生及び大学院学生が今までの生活と異なる文化・価値観に触れることができる体験型教育プログラムです。”(東京大学HPより抜粋)
と紹介されています。
2012年から実施されており、参加資格は東大の学部学生・大学院学生であることです。
参加にあたっては奨励金を大学から受け取ることもでき、私の場合交通費のほとんどが奨励金で賄えました。
その中には国内のプログラムが50個以上、海外のプログラムも20個ほど、研究室体験プログラムも10個ほどが掲載されていて、そこで見つけたのが“どっぷりディープな農業・漁業体験(DDNG)”でした。
募集要項を見ると農業体験のほかに日本の農業・農村、地方の在り方について考えるという目的が記載されていました。
体験内容には収穫体験のほか白神岳登山や深浦町の町長との意見交換などが含まれており、農作業体験だけでは終わらないところにも魅力を感じました。

次のステップは参加申請です。
このプログラムに参加したい!と思っても、すぐに参加できるわけではありません。
なぜそのプログラムに参加したいのか、志望理由を記入し、提出する必要があります。
プログラムによって選抜方法は書類審査だけでなく、先着順や面接も行うものもありますので定員を応募者数が超えた場合、それらをクリアした人だけが参加できることになります。

夏休み、8月29日、青森県深浦町へ行く日がやってきました!
青森駅まで新幹線、そこからは(ちょうどこの年の8月の大雨の被害で五能線が運休していたため)バスで移動し、合計7時間ほどの長旅を終えて深浦駅に集合しました。
そこで初めて他のメンバーとも対面で顔合わせをしましたが、このメンバーは大学院2年生が3人、学部4年生が1人、学部2年生が1人(私)という構成でした。
受け入れてくださった農場はとても広く、車でないと回りきれない規模で枝豆やじゃがいも、大根などの作物が綺麗に育っていました。

体験開始!
1日目はほとんどが移動で終わりましたが、2日目は朝から早速作業開始です!
私たちは体験、というよりも勤務といった形(報酬はありませんが)で朝7時に車で送っていただき、農場で他の従業員の方々と共にじゃがいもの収穫が始まりました。
じゃがいもの収穫といっても、小学校でやったじゃがいも掘りとは異なり、大きな農機具で土ごと掘り返されたじゃがいもの土を払いながらある程度の大きさのものだけカゴに入れていくという作業を1日中行います。
文字として見ただけではただの単純作業といった印象を受ける方も多いと思いますが実際は不安定な土の上でしゃがんでの作業なので腰の痛みとの戦いであり、私はその日のうちに全身が痛くなりました。
筋力の限界を感じながらなんとか1日を終え、17時ごろに作業が終了しました。
その日の夜ご飯は歓迎会を開いてくださり、深浦の海で獲れたマグロなどを振る舞っていただきました。
ご家族の中には高校生もいて、近所に高校が少なく、進学校へ行くために毎朝5時に起きていることや、 高校の高齢の先生は津軽弁がきつすぎて授業の内容が理解できないといったお話を聞くこともできました。

全身の痛みを感じながら目覚めた2日目は、あいにくの雨でした。
雨だったら作業はどうするのだろう、と思っていると、前日と同じように7時にお迎えが来て、他の従業員の方々も全員集合していました。
雨でもお休みになることはなく、その日は大根の収穫へ向かいました。
雨の中カッパを着ての作業で前日の労働による筋肉痛もあり、かなり大変でした。
ただやはり雨で土が濡れている分乾いた土よりは抜きやすいのでこの日は大根の収穫だったのかなと考えました。
ここで育てられていたのは私たちに馴染み深い青首大根ではなく、漬物に使う用の白首大根でした。
一面に大根の葉は見えていたのですが、近くに行くと腐ってしまった大根が多く、かなり衝撃を受けました。
今年はダメだ、と何度も従業員の方が口にするのを聞きました。
理由は上述した8月の大雨です。
生育には水が必要ですが多すぎても根腐れしてしまうそうです。
そんな中でも無事な大根を次から次へと引っこ抜いていきました。
途中小学生が農場の見学に来て、小学生と少し交流したところ、その校長先生がぜひうちの小学校を見に来てくださいと言ってくださり急遽翌日はお昼過ぎから小学校へ行くことになりました。
この日の夜ご飯は参加メンバー5人で自炊をし、農場でいただいた大根やじゃがいもを使って肉じゃがなどを作り、みんなで食べました。
辛い作業の後ということもあり、とても美味しかったです。

3日目はいいお天気で、午前中は深浦の中で観光スポットとなっている場所を紹介していただき、午後は小学校で小学生と交流し、校長先生とお話をしました。
青森の中でも奥まったところにある小学校には先生があまり来たがらないということで地方の難しい課題を目の当たりにしました。

4日目はまたじゃがいも掘りをしました。
2日目と同様に1日の作業を終えると、農場の従業員の方の中にコロナ感染者が出たとのことでプログラムは途中で中止となってしまいました。
このような形で突然の終わりを迎えたプログラムで、かなり心残りはありましたが、4日間だけでも5人で一緒に過ごし、農場での就労体験ができ、大変貴重な日々となりました。

実は私はこの1年前、1年生の時にも体験活動プログラムに応募していて、その際は北海道で農場・牧場での体験ができるものへの参加が決まっていました。
しかし、このプログラムも緊急事態宣言が発出されたことにより行く前に中止になってしまっていたので、2年目のこの青森のプログラムは途中まででも参加できてよかったなと今では感じています。

体験活動プログラムのほかにも、地域おこしのプログラムや、大学の所有する演習林で様々な体験活動ができる科目など、東大には探せばいくらでも様々な経験ができるチャンスが眠っています。
ぜひ皆さんも大学生になったら、短い大学生活、その中でも時間に余裕のあるうちに、そのときにしかできない体験を探してみてくださいね!

その他の体験活動プログラムは、こちらを参考にしてみてください!