TOP > MAGAZINE > 10月➁

①polarisメンバーに迫る!〜その3〜

 こんにちは。polarisメンバーで東京大学理科一類1年のまこです。

今回はpolarisの先輩にお話を伺ってきました!
今回インタビューした人:平山さん
所属:教養学部理科一類(理学部物理学科に内定)
polarisでの役職:副代表、ツアー班(副班長)、 協賛班
所属サークル:polaris
趣味:ピアノ

ー理学部物理学科で学びたいことを教えてください。

 宇宙物理を研究したいと思っています。

ー宇宙物理とはどういう学問ですか?

 ブラックホールがどうやってできたか、中身がどうなっているのか、
宇宙が生まれたばかりのころはどんな姿をしていたとか、そういうことを研究します。
 小さい時から宇宙が好きで、それで天文関係の研究者になりたいなと思っていました。
 ブラックホールの中身ってどういう物理で動いているのかあまり分かっていなくて、
一見理解の範疇を超えた摩訶不思議な感じが、魅力の源泉なのかなと思います。

ー関心がある社会問題を教えてください。

 やはり、一番関心があるのは日本の男女格差の問題です。
私の出身高校は、当時男女比が4対1で、東大とほとんど同じ比率だったこともあり、
高校時代に一時期、文転してその道に進もうかと考えたくらい興味があります。
女子が少数派であることで生きづらさみたいなものを感じてきたし、
東大でもこういう風に女子が少ないことで不利益を被っているならば、
それは絶対に改善したいなって思っていました。
そこから、子供を産んだら仕事ができないなどの一般的な男女格差にも興味をもち、
最近はLGBTQの話などにも興味がありますね。

ー具体的に、高校の時に生きづらいと思ったことを教えてください。

 私の通っていた中高一貫校は私が在学中、中1中2のときは男女別クラスで中3から男女混合クラスになっていました。
初めて男子と同じクラスになったときにびっくりしたのですが、
体育の前の時間で教室に女子が残っているのに男子が平気で着替え始めて、
これって男子と女子が1対1の割合でいたら起こるのかなって思いました。
やっぱり50人クラスで8人しかいない人たちのことをあんまり気にかけようっていう気にならないのかもなって。
あとは、先生の女子だから大事にしようっていう雰囲気もいやでしたね。
しっかり怒られるべきところで女子だったら怒られないことがありました。

ーなぜ東大を目指されたのですか?

 私の高校がそもそも東大合格者が多くて、東大イケイケどんどんって感じだったので、
無意識に東大に行けって洗脳されていたかも(笑)
 自分で東大に行こうと決めたのは、前期教養学部があるからです。
宇宙のこともやりたかったけれどもジェンダーの問題も興味があったので、
1、2年生の間にそういう勉強もちゃんとしておきたいと思ったのが決定打でした。

ーpolarisの活動を行うときに他の大学と比較して、東大だったから良かったことはありますか。

 女子が少ないっていう問題に対して意識の高い人が多くて、
恥ずかしがったりせず真面目に議論できるところがすごくいいなと思います。

ー続いてpolarisの活動について伺います。polarisの活動を通して感じたことは何ですか?

 自分の頭の中で考えているだけではダメだなっていうことをすごく学びました。
「これはこうやってこうすればいいからこれで正解だよね」と思っていても、思わぬ答えが他の人から来ることがあります。
意見を交換することの大切さが一番学んだことかもしれないです。

ーpolarisの活動に関連して将来行っていきたいことはありますか?

 今までのpolarisの活動をみていると、地方の女子高生へのアプローチがまだまだ弱いんじゃないかなと思います。
都市圏と地方の情報格差の問題を考えても、これからは地方へのアプローチ方法をなんとか考えていきたいです。

ー大学生活の中で頑張りたいことを教えてください。

 とりあえず、学科の勉強はなんとか頑張らなきゃなとは思ってます。
結構難しいのが入る前から分かっているので(笑)ー(※)
 でも学科の勉強をやりつつも、polarisの活動はおろそかにはしたくなくて、両立を頑張っていきたいです。
 それから、大学生活っていうよりは一人暮らし生活の話になるんですけど、そろそろ真面目に料理したいですね。

(※)東京大学では、二年生の夏に進学する学部が内定し、10月からは内定先の学部の専門科目を履修します。

ー男女格差の問題を解決するために、将来はどのように働きかけていきたいと思っていますか?

 もちろん研究者になった後もできるだけ、そういう問題解決に関わっていきたいなと思っています。
自分自身が宇宙物理の研究者になってそこで良い研究をすること自体が、
理系分野で活躍する女性のロールモデルを作ることになればいいなと思っています。

 私も同じく理科一類に所属していて、周りの頭の良い男子に圧倒され進路に悩んでいたのですが、
自分の興味のあることを追求する平山先輩の貴重なお話をきき、自分も好きな分野に進もうと思いました。
 ありがとうございました!

②polarisメンバーに迫る!〜その4〜

 こんにちは、polarisメンバーで文科三類1年のあっぷるです。
今回は、polarisの先輩にお話を伺いました!

今回インタビューした人:みかんさん
所属:教育学部比較教育社会学コース4年
polarisでの役職:副代表、広報班、協賛班、合宿係
所属サークル:polaris、東京大学裏千家茶道同好会
趣味:古い洋画の鑑賞、K-POP鑑賞

ーまずはじめに、大学ではどのようなことを勉強されているのですか?

 比較教育社会学コースでは、大まかに教育と社会がどのように関わり合っているのかについて学びます。
統計やインタビューなどの手法を用いて、個人レベルでの話になりがちな教育を客観的に論じることができる点が魅力です。
今は、個人個人が人生を通じて自主的に学び続けるという意味の、「生涯学習」をテーマに、幅広い学びのあり方を学んでいます。
これから卒業論文に向けて、生涯学習と日常の充足度の関連性について研究したいと思っています。

ー今関心のある社会問題はありますか?

 女性の社会進出や男女平等は本当に実現できるのかについて関心があります。
制度面では充実してきていますが、内実はそうとは限らないことも多いと思います。
男女の体格差など変えられない部分もありますが、性別に関わらず、
自分のやりたいことを障害なく実現できるようになればいいなと思っています。

ー東大にいるからこそできることは何だと思いますか?

 高校までは目の前の勉強が中心の生活でしたが、
大学では色々なバックグラウンドを持った人や問題意識を持って活動している人に出会い、刺激をもらいます。
polarisのメンバーや、他の団体で活動をしている人たちと大学で出会い、関わっていくうちに、
自分も社会問題に関して活動していかなければという意識になりました。
また、そういった人たちとの交流の中で、polarisでの活動や目標が、
自分にとっても一番目指したいことだと再確認することができました。

ー続いて、polarisでの活動について聞いていきたいと思います。polarisではどのような活動をしていますか?

 1年生の中頃からは広報班、協賛班、合宿係に所属していて、
1年生の終わり頃から3年生の中頃までは今までの仕事と兼任で副代表をしていました。
副代表としては、団体全体の方向づけをする大きな決断をしたり、班どうしの繋がりを維持したりする仕事をしていました。

ーpolarisに入ったきっかけは何ですか?

 それまで自分がいた環境よりも女子が少ないことに驚きと違和感を感じたことです。
通っていた高校は共学で、東大志望者の男女比も1:1でしたが、受験の時や入学後のキャンパスで東大の女子の少なさを痛感しました。
また、語学のクラスの1つ上の代にpolarisに所属している方がいて、話を聞いていたこともあり、
東大を目指したくても様々なハードルがあって目指せない女子高生の力になりたいと思いました。

ーpolarisの活動で印象に残っていることは何ですか?

 2年生の時にコロナが流行し始めて、初めてオンラインツアーを開催することになったのですが、
全くノウハウがない中で1からオンラインツアーを作り上げたことが印象に残っています。
コンテンツをオンラインに合わせてどのように変更するのか、
また直接会えなくなったメンバー同士のつながりをどう維持するのかといったことが大きな悩みでした。
逆にオンラインならではの強みとしては、地方の高校生にもアプローチできたことがよかったと思っています。
また最近では、過去にpolarisのイベントに参加してくれた女子高生が東大に合格してpolarisに入ったという話を聞くことが何度かあり、
活動のやりがいを感じ、とても嬉しいと思っています。

ーpolarisの活動に関して、これから行っていきたいことは何ですか?

 東大は関東圏の高校出身の人が多いので、地方高校生へ積極的にアプローチしていくべきだと思っています。
地方にいるから、女子だから、という理由だけで東大を志望しにくい状況にある中高生たちが偏見を乗り越えていけるように活動していきたいです。

 polarisの活動のなかで、直接高校生から悩みや葛藤を聞く機会も多いというみかんさん。
そんな苦しい思いを抱える女子中高生たちを1人でも多く救いたいという思いがとても伝わってきました!
今回は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!