TOP > MAGAZINE > 12月 第二弾

①私の学部・志望校の決め方(文科一類→教養学部教養学科)

 こんにちは!東大2年のpolarisメンバー、奥田です。

 高校時代は漠然と法律家になりたいと考えていたので、国立で、自宅から通える範囲で、法学部がある総合大学、と考えて東大を第一志望にしました(お金の関係で浪人や一人暮らしはできない、と親から言われていました)。高校1年生の頃は一橋大学を第一志望にしようか悩んだのですが、やはり理系の人たちとも話してみたかったので、最終的に理系学部がある東大に決めました。私立大学も法学部のあるところをふたつ受けました。ちなみに、総合大学であるという点にこだわったのは本当に正解だったと思います。全く違う分野の人たちからは、授業やサークル活動を通じてかなりの刺激を受けましたし、自分の知識の幅も広がった気がします。

 文科一類に入学し、司法試験の勉強を2年生になる春から始めていたのですが、法律だけでなく社会学も勉強してみたい、と思うようになり、法学部ではなく教養学部後期課程の中の、教養学科総合社会科学分科相関社会科学コースに進学を決めました。1年間法律を学んでみて、確かに法律は面白いけれど、法律を勉強しただけでは私たちが暮らす「社会」について深く知ることはできないのではないか?という疑問が強くなってきたからです。

 教養学部後期課程は文系理系さまざまな分野があり、教授の専門も多岐にわたるのが特徴です。また、社会科学といってもその範囲は広く、法哲学や政治学、経済学などを含む分野もあるので、興味がなかなか一つに定まらない私のような学生にはうってつけのコースだと感じました。

 社会学を学ぶにつれて、法律家になるより大学で研究をした方が面白いのでは、と思うようになり現在迷っている最中です。将来の職業については、社会学の勉強を続けながら考えていこうかな、と思っています。

 皆さんもぜひ、将来の夢や志望校について考えてみてくださいね!


②私の学部・志望校の決め方(理科三類→医学部医学科)

 こんにちは、polarisメンバーの鎌田です。私は現在、東京大学理科三類の二年生で、次の春から、医学部医学科に進学することが決まっています。どのような経緯でここまで辿ってきたのか、少しお話したいと思います。

 私の将来の夢は幼いころから医師でした。生まれた頃に既に車いすだった祖母にかわいがってもらっていたことや、年の離れたいとこが医学部に入ったことなど、環境の影響をとても強く受けて小学生のころから一貫してほとんど変わりませんでした。ですので、大学の志望先を決めるときに焦点となったのは志望校です。

 私の出身は鳥取県です。the 地方 なので医学部に行こうと思うと、鳥取大学以外なら一人暮らしは確定です。そのため、どこを選んでも一緒、みたいな感じはありました。(笑) 大学を選ぶ際に私が考えていたことはまず、総合大学であることです。高校時代、私は理系だったのですが、様々な活動をしていました。部活動の卓球をはじめ、模擬国連をやったりボランティア組織を作ったり、科学の甲子園に参加したり……一つのものに集中するよりは、いろんなことをしたかったし、いろいろな人と関わりたかったのです。なので、単科大学である医科大学よりは、総合大学がいいと思っていました。この考えはとても強かったので、各大学のキャンパスが、医学部と他学部で同じところにあるか、というところまで調べていました。(笑) 残念ながらそのような大学は多くなく、記憶にある限りでは東大、京大しかありませんでしたが……
 また、お金も大事な要素でした。私立の医学部はとてもお金がかかります。一人暮らしの費用に加えて高額な学費を払える経済状況ではないので、国立大学に行くことは親からくぎを刺されていましたし、自分でも当然と思っていました。
 最後に、私の将来なりたいものがただの医師から、研究をする医師になりたい、と高校時代に定まったことも大きな影響がありました。研究をするとなるとその設備が整っている場所の方が望ましいです。となると、(聞いたことがあると思いますが)科研費、すなわち研究費が潤沢にあるのは、東京大学をトップに京都大学、大阪大学と続いていきます。(大学に入ってから聞いたのですが、大学によって研究室の金銭的状況は大きく変わっていて、実験資源を潤沢に使えるかどうかに如実に関わってきます💧)また、これらの大学の医学部は研究医になるための特別なプログラム、PhD.MDコースというものを用意していることもこのころに知って惹かれていました。

 こういった経緯を経て、東京大学理科三類を受験したい、という思いは高校入学して徐々に強くなっていたのですが学力的な不安が当然ありました。しかし、少し前に触れている模擬国連で日本代表になれたことを受け、東大の推薦入試に挑戦することとなりました。前期試験と合わせてチャンスが増えるぞ!ということが3年生になったころに明確になり、2回受けられるなら突っ込む!ということで私の志望校は最終決定しました。

 結果、私は推薦入試で東京大学医学部医学科に入学し、今に至ります。ただ、大学に入って教養学部前期課程の授業を受け、研究室に通ったり医療職や研究者の方々とお話したりして、前に述べた研究医、からはまた将来像が変わりつつあります。この話はまた機会があれば……

 みなさんのご参考になれば幸いです。よき学校生活を!


③私の学部・志望校の決め方(文科三類→法学部)

 こんにちは。polarisメンバー3年生のまいです! 私は文科三類に入学し、現在は法学部に所属しています。今回は進学選択に際して、私がなぜ法学部を選んだのかについて主に書いていきたいと思います!

 私は高2の秋ごろから東大の後期教養学部が掲げる「領域横断型の教育」という文言に惹かれ、志望校として意識し始めました。中でも、クラシックバレエを通じて強い関心を持っていたフランスの歴史文化や社会について、フランス地域文化コースで学びたいと思っていました。入学後もフランスへの関心は持ち続けていましたが、前期教養課程の一年半を通じてその興味の対象は、徐々に政治と文化を中心とした領域に絞られていきました。
 政治文化と聞いてもあまりピンと来ない方もいるかもしれませんが、例えば中高の世界史でも「○○帝国は〜文化政策を実施した」とか「○○戦争の結果、〜文化が流入し東西文化の融合が見られた」といった記述が出てくるように、文化は政治と密接に結びついています。逆に、文化をはじめとした、その土地固有の歴史社会を見なければ政治を語ることはできないと思います。
 実はこのような分野に関心を持つようになったきっかけは、1年生の時の「初年次ゼミナール」でした。初年次ゼミナールとは英語論文執筆授業の「ALESA/ALESS」と並んで1年生の目玉となっている必修科目で、春学期に論文指導の授業を受けた後、夏休み中に約8000字〜12000字の論文を執筆しなければなりません。この授業を通じ、政治思想史専門の教授のもとで「イスラム教スカーフ問題のヨーロッパ各国における様相」、中でもグローバル化の波とフランス普遍主義の衝突がもたらしたスカーフ問題について調べるうちに、文化における政治学に興味を持つようになり、秋学期は社会科学の科目群から政治を履修しました。
 このように、前学期で興味を持ちもっと深めたいと思った科目を選択するなど、東大の前期教養課程では、自分の関心にそって授業をカスタムすることができ、その中で3、4年になっても引き続き学んでいきたい分野は何かを考えていくことができます。
 そして、2年の夏休みに進学先希望を提出することになります。私の場合はギリギリまで法学部と教養学部で悩んでいましたが、前述の流れで比較政治を学びたいと決めていたので、どちらの学部がより適しているのかシラバス等を使って調べ、最終的に法学部に決めました。
 その後、法学部で約半年を過ごし、政治学で学ぶグローバル化・多様化が急速に進む現代社会における様々な問題を解決していくためには、結局、"政治の法としての憲法"が要となるのではないかと感じ、現在は法律家になるための勉強をしています。

 こんな風にコロコロと興味が変わっていってしまう私にとって、東大の環境は本当にありがたかったです。もし現時点で具体的な将来像を描けないという悩みを持っている方がいても、心配する必要はないと思います。東大を目指す人は将来の夢が明確に決まっているのではと言われることが多いのですが、私含め、周囲では決してそういう人ばかりではないからです。入学後じっくり自分と向き合える最高の環境が用意されていることが東大の素晴らしさの1つだと思うので、将来やりたいことがまだ決まっていないという中高生の方もぜひ、自分の可能性を大きく広げることができる東大を目指して欲しいと願っています!


④私の学部・志望校の決め方(理科二類→農学部動物生命システム科学専修)

 こんにちは、polarisメンバーで3年のひらこうです!僕は東京大学に理科二類で入学し、現在は農学部動物生命システム科学専修に所属しています。今回は、自分がどのような経緯で大学を選び、この学部に進むに至ったのかを簡単に説明します。

 まず大学選びですが、自分は高校生の時点でそれほど将来のビジョンが明確ではありませんでした。だからこそ、大学に入学してから学部を決めることのできる東大の「進学選択制度」に魅力を感じ、東大に進もうと考えていた部分が大きかったです。また、周りにも東大を目指す友人が一定数いたため、彼らに影響を受けたところもありました。
 そして無事、東京大学に入学し、自分の興味に基づいて様々な講義を受けていたのですが、その中でも生命科学系の講義に強く惹かれていきました。そして、特に関心のあった「動物」について学べるということで今の専修を進学先として選択しました。高校時代は物理・化学選択であったので、生物分野に関しては全く知識がなく、あの頃の自分は今の自分がこんな進路を選択するなんて思ってもみなかったでしょう(実際昔は建築系にいこうかな、と漠然と考えていました…笑)。ただ、これが東大の良さであると常々感じています。実際、自分の学科同期を見ても、物理化学選択にも関わらず生物系の僕の学科に進学してきた人は何人もいます。そんな環境だからこそ、思い切った決断ができたのだと思います。

 志望校・学部の決定は非常に大きな選択です。この選択を一切の悔いなく行うのは難しいと思います。ですが、「何を選択したのか」ということよりも「選択した上でどのように振る舞っていくのか」ということの方が大切になってきます。結局、心の持ちようということです。今後、決断を迫られる場面が多々あると思いますが、将来その決断を振り返ったときに未練が残ることのないようにしてください。応援しています。