TOP > INTERVIEW > N.K.

インタビュー内容紹介

polarisの新企画 "Another Try! 〜東大女子の浪人体験記〜" 、第六回は文科3類1年のN.K.さんにお話を伺いました。



都道府県:

鹿児島県

名前:

N.K.さん

出身高校:

鹿児島県立鶴丸高等学校(公立、非中高一貫)

入学時の科類:

文科三類

高校の部活:

ダンス部、応援団

どうしても東大に行きたくて浪人

ーまず初めに、浪人を決めた理由とその時の周囲の反応を教えてください。

そもそも東大以外に行くつもりがなく他の学校を受けていなかったので(東大に)落ちたら浪人せざるを得ませんでした(笑)。。
親は、私が頑固で何を言っても聞かないことを知っていたので、受験に不干渉という感じでした。ですが兄が地元で2浪していたので浪人への抵抗は少なかったみたいです。鹿児島出身なのですが、年齢の高い人を中心に、女の子に学歴は必要ないという考えの人も多く、私の場合は大学行くなとまでは言われませんでしたが、おばあちゃんなどからは浪人してまで東大に行かなくてもいいのではないか、と言われたりはしました。

ーそれでも周囲の反応はあまり気にならなかったですか?

東大に落ちていたし、他の選択肢がなかったので何か言ってるな〜程度でした(笑)。

ー東大に絶対入りたいと思っていた理由はなんですか?

学部が決断できなかったので、進学選択に魅力を感じました。

ーそれでも文科3類を志望した理由は?

高校時代は合格最低点が高く頭が良さそうという理由で文科1類を志望していましたが、文化に興味があったのですごく迷った結果、現役時に文科3類を受けました。浪人時も迷いましたが、後悔しないように例年の合格最低点の低い文科3類を受けました。でも今、理転も考えています。文化人類学の研究者を志して後期教養学部を志望していましたが、大学で論文を書く過程を通じて、2ヶ月ほど前から、理系への関心も芽生えてきました。

ー研究者を志望しているのですか?

私は大学で得た知識で仕事をしたいというこだわりがあって、文化人類学を学んだ場合は企業なのでは生かしにくい知識なので、その際には博士課程まで進学して研究者になろうと思っていました。

地方公立高校での苦労

ー受験の話をもう少し伺っていきたいと思います!現役時の敗因は何だと考えていますか?

予備校に入ってから気がついたのですが、東大受験における常識みたいなものを知らなかったです。田舎の公立高校で、高3の2月まで授業があり予習も多かったので過去問を解く暇も正直なく、東大受験の対策が足りていませんでした。それが変だと気づいていなかったのもやばいと思います(笑)。
浪人時代に、もう過去問解ききっちゃってやることがない〜なんてことにならなかったのはよかったなと思います。やることは腐る程ありましたね(笑)。

ー受験で苦手だった数学は克服できたんですか。

できたと思っていましたができていませんでしたね(笑)。
浪人期の模試では(文系数学の80点満点中)60点ほど取れるようになっていて、自信が付いていたのですが、本番の受験ではほぼ白紙で、点数開示では13点でした(笑)。
でも数学が0点でも合格できるように計画して勉強をしていたので救われました。

ー同じ高校から東大を目指して浪人する女子はいなかったですか?

います。同学年から4人の女子が東大を受けました。全員が不合格となり、そのうち1人が後期の大学に進学し、私を含め3人が浪人を選びました。

上京して一人暮らしをしながらの浪人生活

ー東京に出てきて浪人をされていましたが、それは特殊なんですか?

特殊ではあります。女子は特に地元で浪人することが多い気がします。大手予備校が地元になく東大対策がしづらい環境だったので私は東京に出ることを決めました。

ー東京にでてきて浪人しながら1人暮らしを始めることに不安はなかったですか?

なんとかなるだろう、と思ってました(笑)。学生マンションでご飯も出してもらえるところで、浪人している子もいたのでなんとかなりましたね。

ー女子が東京で一人暮らしをしながら浪人することに、親の反対はなかったですか?

合否がわかってから上京を決めるのはスケジュール的に厳しいことがわかっていたので、受かっても受けらなくても上京することを前もって親に宣言していました。余談ですが、地元で浪人していた女子の友達にも東京での浪人を迷っていたけれど事前に親と話し合っていなかったために上京できなかった子もいました。親とコミュニケーションを取っておくことは結構大事だと思います。

友人に恵まれた予備校生活

ー浪人期間中のお話を伺ってきます。一番しんどかったことはなんですか?

浪人中にしんどかったことは特にないですね。
一番しんどかったのは受けた後で、本番で数学ができなすぎて、不合格になったと思って毎日泣いていました。

ー浪人生活はそんなに辛くなかったんですか?

辞めたいなと思うことはありましたが、辞めたところで行くところがなかったので(笑)。

ー浪人期の友達関係はどんな感じでしたか?

予備校では、あえて友達をあまり作らないようにして、5人くらいの友達と過ごしていました。廊下での立ち話や面倒な人間関係に巻き込まれるリスクを回避したかったので。 ひとりぼっちは寂しかったので、座席が近かった数人と仲良くなりましたが、偶然その人たちがすごく成績優秀で、勉強を教えてもらったり、ライバルとして刺激をもらえたりしました。

ーどんなスケジュールで勉強していましたか?

予備校が開いている日は毎日予備校に行って勉強していました

ー浪人時に私大はどこを受けましたか?

早稲田と明治はセンター利用で合格をいただきました。
上智も出願していて過去問なども解いていましたが、面倒くさくなって受験はしませんでした(笑)

ー東大合格への自信は結構あったという感じですか?

いつも通りなら合格できると思っていました。

ーモチベーションは保てていましたか?

周りに負けるのが嫌で頑張り続けられました。予備校の周りの人はみんな成績がよく、東大に合格するだろうなという雰囲気だったので、自分だけ落ちるのは嫌だなと思っていました。

浪人という選択に後悔はない!

ー浪人を経験して強みになったことやよかったことはありますか?

私は東大でTLP(注1)に所属していますが、浪人で英語の点を上げられたことでTLPに入れたことがよかったです。現役時は3点差で不合格になりました。あと数問当たっていれば受かっていたかも知れませんが、ギリギリで入って東大の勉強についていけなくなるよりは、浪人をして自分の能力を高めて入学できたことはよかった思います。

ー浪人して後悔したことはないですか?

ないです!
絶対に東大に行きたかったので、1つも無駄なことなく1年を過ごせました。


注1:TLPは、国際的に活躍する人材に必要な高度な英語力に加えもう一つの外国語の運用能力の獲得を目標に、履修を希望しかつ入学時に上位一割程度の英語力を有すると認められる学生を対象に用意されたプログラムです。

出典:東大教養学部TLP

充実した東大での生活

ー東大に入ってみて浪人経験のある女子は周りにいますか?

同じ予備校から東大で同じクラスになった女子もいます。クラスには自分を含めて4人浪人経験者の女子がいます。私は現役で合格していたら知り合いがいなくて1人ぼっちで、履修のこともわからなかっただろうし、その点は上京して浪人して予備校の知り合いができ、よかったです。

ークラスで現役合格の子と壁を感じることはありますか?

若いな、と思う程度です。私のクラスには2浪の子もいるので1浪なんてひよこみたいな感じです(笑)。みんな壁などなく接してくれます。

ー東大生活で頑張っていることはなんですか?

1番頑張っていることは勉強ですね。進学選択でどこにでもいけるように高い点数を目指して頑張っています。

ーサークルはやってますか?

2つ入っていて、MISというサークルで東南アジアの問題解決に取り組んだりしています。例年は現地に出向いて問題解決に取り組むのですが、今年はコロナの影響で行けていないんですけどね……。

ー最後に、東大を目指す女子高校生や女子浪人生にメッセージをお願いします!

東大じゃないとできないことってあまりないと思いますが、東大じゃないと出会えない人はたくさんいると思っています。私が思う東大の魅力は東大に集まる学生で、その人たちに出会い、関わりを持つことは、苦労して東大に入る価値があると思います。

〜インタビューを終えて〜

浪人時代のお話も明るく話してくださいました。浪人中も前向きで力強く勉強に取り組んでいた姿が目に浮かびました。志望校に向かって強い気持ちを持つことは大きな力になりますね。東大の進学選択制度の中で、大学生になってからも新たなことに関心を持ち続け、挑戦し続ける、N.K.さんの姿が印象的でした。
このインタビューが、皆さんにとって、自分の勉強について見直したり、大学生活を思い描いたりする機会になっていれば幸いです!


注1:TLPは、国際的に活躍する人材に必要な高度な英語力に加えもう一つの外国語の運用能力の獲得を目標に、履修を希望しかつ入学時に上位一割程度の英語力を有すると認められる学生を対象に用意されたプログラムです。

出典:東大教養学部TLP