TOP > INTERVIEW > Y.K.

インタビュー内容紹介

polarisの新企画 "Another Try! 〜東大女子の浪人体験記〜" 、第四回は教育学部3年のY.K.さんにお話を伺いました。



都道府県:

東京都

名前:

Y.K.さん

出身高校:

晃華学園

入学時の科類:

文科三類

進学先:

教育学部

高校の部活:

卓球部

現役、浪人時代の受験

ーでは、早速お話を伺っていきたいと思います。まず、現役、浪人の時とどのように受験されていたのですか?

基本はそこまで変わらず、浪人時代の方が抑えが少なめ、という感じでした。具体的にいうと前期が東大で、他に早稲田と慶應、センター利用の東京理科大の経営学部も受けていました。浪人時は東大と早稲田と慶應だけでしたね。

ー現役時と浪人時で志望校の決め方は何か変わりましたか?

もちろん現役の時は浪人すると思ってなかったし、したいとも思っていなかったから、早稲田・慶應も学校からは「早稲田・慶応も大丈夫でしょ」、という感じに言われていたので、自分が行きたい学部しか受けませんでした。これは浪人時もあまり変わらなくて、早稲田のセンター利用がいくつかの学部で取れていたので、抑えは練習のために慶應だけ受ける、という感じでした。一応後期は東京外国語大に出していました。

独特なモチベーション維持?

ーなるほど。落ちると思っていなかった受験が終わってからもう一年、となったとき、モチベーションを保つのは大変だと思うのですが、どういった形でモチベーションを保っていましたか?

 普通は志望校への熱意とかが出てくるんだと思うんですけど、自分は特殊で、自分の意志でやってました。

ーというと?

 全落ちして浪人する人とか、いくつか受かって浪人する人とか色々いると思うのですが、私の場合は合格校があるうえでの浪人だったので、しょうがなく、というよりは自分で決断して浪人を選びました。自分が選んで浪人した、ということに対する責任感があり、「さぼったら何のために浪人したんだ」と思い、これがモチベーションになっていました。「なまけたいな」と思ってしまった時も、「なまけたらあの時の決断が無駄になってしまう」と思って頑張っていました。決断した時はとても迷ったので、それを無駄にはしたくないということでなまけたい心を思い直していましたね。

ー凄く意志が強いですね、すごいです...!!

 私も今から考えるとどうしたんだろうねって感じがします(笑)

ー浪人を迷ったときはどのような内容で迷われていたんですか?

 合格した大学に行くか浪人するかすごく迷いました。受かっていた大学は別に悪い大学ではなくて、行った方が絶対楽だとは思ったのですが、もし大学入って楽しく過ごして卒業した後うまくいかないことが起きたとき、「ああ、あの時妥協したからかな」ってちょっとでも思うのが嫌で迷っていました。でも、仮に一年頑張って無理だったら本当にあきらめがつくし、「あのときもしもう一年浪人していたら受かっていたかもしれないな」と思いたくなくて、後悔したくなくて浪人しました。

ー志望校へのこだわりよりも自分を貫きたくて浪人を選ばれたんですね

そうですね。

ーその意思決定をしたときの、周りの反応はどういったものでしたか?

 親はもともと自分で決めたらいいと言ってくれていました。ですが、浪人することを決めて、私立に納めていた入学金ももう返金してもらったという内容を仕事中の親にラインで連絡した時には、本当に浪人するんだ、という衝撃はあったらしいですね。友達には数人にしか言ってなかったけど、受かっていた子も浪人することが決まっていた子も、お互い一緒に頑張ろうね、とか、本当に頑張って、と応援してくれました。
学校の先生も、自分の代に浪人する人が珍しくなかったってこともあって、応援してくれました。

のどかな高校生活、集中した浪人生活

ー高校はどういった環境だったのですか?

 中高一貫の都内の女子校で、少し田舎寄りの閑静なところでした。のびのびと素朴に育ったと思います(笑)卓球部ではキャプテンも務めて、本当に勉強と部活しかしていませんでした。たまには遊びましたけど。

ー東大を受ける人はいましたか?

 東大には毎年合格者がいますね、10人弱くらい受けて、3人入ればすごい、みたいな感じです。

ーでは、浪人をされるときに周りには仲間がいたんですかね?

 高校に浪人することになった人はいたけど、連絡をとってた人はほとんどいなかったです。東大を一緒に受けることになってた人も一人だけでした。

ーなるほど、予備校にはいかれてましたか?

 一応行ってました。有名ではないけど中堅どころの予備校で特待生が取れたので通ってはいましたが、東大を一緒に目指す仲間はいなくて、私立を目指している子たち数人と仲良くしていました。

ーそういう状況で意志の力でモチベーションを保てていたのは本当にすごいですね。
他に浪人中に特別なことをされていましたか?

 前にも聞かれたことがあるのですが、情報に全く触れていなかったです。塾のチューターの方と面談のようなことをすることはあったのですが、外部からの情報としては模試の結果以外、浪人生の合格率など、何も見ず聞かず、関心も持たずにしていたことで良くも悪くも影響を受けず、不安になることもなく勉強できていました。

ーなんというか、目標に向かって一直線に進んでいったように感じますね、いったいどんな風に勉強されていたんですか?

 予備校は平日は毎日行く必要があって朝8時半から早くて午後4時頃まででした。みんな同じ方向を向いて1席ずつ空いてる学校の教室のような自習室があったのですが、私はしーんとした中で人と勉強するのが好きではなく自習室が嫌だったので、自分の家で勉強したくて塾が終わったらすぐに家に帰っていました。

ーご家族とお話しながら勉強されていたんですか?

 いや、そういうわけではないんですけど、母親との共同部屋のような場所で、少し生活音がする環境で勉強していました。夜は隣でテレビを見られていることもありました。私はイヤホンはしていましたけど。

ー1年間勉強されていて大変だったことは何ですか?

 大きく分けて二つありますね。
 一つは秋の東大模試でCよりのB判定をとってしまって、確かに手ごたえは悪かったんだけど浪人のこの時期にこの成績はまずい、と感じていました。ここまで来て浪人生活を辞めたいとはなりませんでしたが、チューターの方にも相談しに行って、この時期が一番精神的につらかったです。
 もう一つは親戚の集まりの時に、私の受験先も知らない親戚のおばさんが自分の娘の話でマウントとってくるのが鬱陶しかったです。

東大で、周りに浪人生は...?

ー次に東大に入られてからのお話を聞きたいと思います。周りに浪人を経験されている方っていますか?

 ぱっと思いつくだけで2人いて……クラスで考えたら女子15人中5人はそうですね。他大から受験してきた仮面浪人の人が2人含まれてます。地方出身の人も2人います。

ー浪人している東大女子にも多様な人がいますね!浪人されていて、現役の人との違いを感じることはありましたか?

 凄く感覚的なんですけど、ありますね。現役の東大生は中学受験から失敗している人が少ないと思うのですが、浪人生は一回挫折を経験しています。なので、現役で受かった人の方ができない人の感覚を理解するよりも、自分の軸で物事を見る人が多い印象があります。
 入学当初仲良くなった人は男女ともに浪人していた人が多くて、もちろん会話の糸口に浪人があったということはあると思いますが、それだけじゃなくて通じ合える感覚があったのだと思います。

将来、後輩へのメッセージ

ー将来の夢は何ですか?

 小学生の時はドラマの影響でなんとなくマーケティングに興味があって、中高の大学調べの時とかも商学部を調べていました。ただ、東大に来る人はしっかりと決まってない人が多くて、私もそうだったので東大に来ました。そういう人でも東大に入れるよってことを伝えたいですね(笑) 今は人に近いところに関わりたいので、消費者に近いメーカーに興味があります。ちょっとでもみなさんを幸せにできたらいいですね。

ー最後に、女子高校生、浪人生にメッセージをお願いします!

 両方に共通して、後悔の無いようにしてほしいです。東大に入ったから人生安泰っていうわけでもないし、他の大学に行ったから東大生より人生がよくないというわけでもありません。他の大学でも頭がいいなって感じる人はいくらでもいます。だから、大学のネームバリューとか知名度は大事だけれども、自分が行きたいと思えるところを目指して頑張ってください!
浪人生に関しては、本当につらいことの方が多いとは思います。ですが後から振り返ってみれば悩んでいる時間が無駄で、悩む時間で勉強した方が合格率は上がるので、悩む暇があるなら勉強してください。スパルタなこと言ってごめんなさい(笑)

ーありがとうございました!